新聞の今と未来

新聞ってどうなるんだろう

私は現在、とある全国紙を持つ新聞社で編集者として勤務しているが、一般の方が想像するに容易く、新聞の発行部数、購買部数は大きく右肩下がりとなっている。いや、これまで新聞というメディアの権威が歩んできた経緯を考えると、フリーフォール並みの急降下と言っていい。

当然、我が社もこの恐怖のライドに乗っているが、この下げ止まりは訪れるのであろうか? これを考えるのが今回のテーマだ。

  • 1.猫も杓子もスマホ
  • 2.紙とWeb
  • 3.収入源の広告は
  • 4.新聞の未来

1.猫も杓子もスマホ

電車に乗られる方は、ぜひ一度、車内をぐるりと見て乗客が何をしているかをチェックしてみてほしい。都市(に限らずか)の沿線のほとんどで8、9割方の人がスマホとにらめっこをしているだろう。

今となっては信じがたいが、ほんの数十年前までは「電車で新聞」は見慣れた光景であった。記者として編集者としてスポーツ新聞を作ってきた私も、電車の前に座った乗客が私が書いた、または見出しを付けた新聞を広げる姿を見てニンマリ、ということも多かったが最近ではそんな嬉しい思いをすることも減った。

2.Web速報

近年では新聞各社がWeb速報にも力を入れ、現在に則した生き残りの道を探っているが、まだ“一時しのぎ”の場当たり策の域は出られない。この原因には発行する側、つまり新聞社側のジレンマも働いている。メディアの権威的な立ち位置を築いてきた新聞社は、過去の栄光を捨てきれずにいる。特に長年勤めてきたベテラン社員ほどその傾向が強いが、いまだに「紙=神」の構図を崩せない人がいる。

そうなると、どうなるか…Webにあげるニュースを限定的にして、紙の“ネタ”に取っておくのだ。つまりネタの重要度によって、紙とWebに振り分けるという事になる。紙を重要視すればWebの速報性が失われ、Webを重要視すれば紙の権威を失うというわけ。このジレンマを抱えながら今、新聞社は生きる道を探っている。

3.収入源となる広告は

読者の購買料に加え、新聞にとっての重要な収入源は広告だ。しかしインターネット広告の市場が、テレビ広告のそれを追い抜こうとしている現状(下図)、新聞広告は厳しい。広告がつかない。スポーツ新聞も含めて新聞を拡げて過去と比べてみると一目瞭然なのだが、とにかく記事で溢れているのが分かる。必携広告がなく、記事(もしくはあるとしても自社事業の宣伝)で埋めるしかないのだ。

4.新聞の未来

残念ながら、紙の新聞の衰退はもう避けられない。紙の方が読みやすい、手触りが良いというような一部読者が最後に残るだけだろう。社名はそのままに、もしくは「旧〇〇新聞社」という、信頼性を売りに、形態を変えたネットメディアへとシフトしていく事になるだろう。

だけど、スポーツの新聞記者として生きてきた私は、媒体は変えども「記者」という職業は、未来にも残ると信じている。それはAI時代になっても「人対人」でなければ生まれない事があるから。一般紙もそうかもしれないが、スポーツ新聞は基本「人」を描く。物ではなく「誰が何をしたか」を描く。その人を掘り下げるとき、その対象人物との信頼がなければ、とにかく浅い記事になる。万人が記者になれる現代において、ここにプロとして生き残る道がある。

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