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スポーツ新聞記者がスポーツ新聞風に息子の運動会書いてみた(縦書き)

こんにちは、とちです。

今回は、ちょっと遊びw

息子を主役に、運動会をスポーツ紙風に書いてみました。

登場人物・幼稚園などの名称は仮名です。


 びっしりと埋まった観覧席。ギャラリーの視線がグラウンドの中心、身長110センチの小さな体に注がれる。ついに立った夢舞台―、青葉台幼稚園運動会。その花形、ぞう組(5歳児)リレーの第1走者。足が震える、心臓が鳴る。だが、不思議だ。感覚は澄み、喧騒など耳に入らない。幸太郎が見つめるのはトラックの先、バトンを待つ彩香だけ。号砲は、鳴った。             
 「ちょっと最初に遅れちゃったな。でも、ちゃんとバトン渡せたから良かった」          
 スタートの合図から一拍、遅れた。対して、同じ第1走者として競う光輝は抜群の反応だ。いきなり背中を追う展開は想定外。焦りが幸太郎を襲う。「この靴の方が速い」と、運動会のために選択したサッカーシューズの巻き上げる砂が、煙幕のように観覧席とグラウンドを遮断した。      
 ここで、ヒーローを描く物語なら、「幸太郎が遅れを挽回し逆転! チームを勝利に導いた」と展開されるのだろう。でも現実は、違う。煙の先から現れた2人の差は拡がっていた。無情に加速を続ける光輝の背中は、コーナーを経過するごとに遠ざかった。            
 「光輝速いわぁ。どんどん前に行くんやもん!」         
 結局、3秒遅れのバトンとなったが、幸太郎の表情は敗者のそれではない。ゴール直後、観覧席に両親を求め、手を振る姿を見つけると、控えめに親指を立ててサムアップを届けた。            
 観覧席の父雅彦さん(三八) は目に光るものを浮かべながら「すごく頑張った。練習してきたこともできていた」と、大役を終えた息子を称賛した。     
 家ではサランラップの芯をバトンに見立て、次走者に渡す練習を「バトン」に血がにじむほど繰り返した。公園では父を「仮想 光輝」としてトラック練習を繰り返し、コーナリングのコツと競争心を磨いた。母陽子さん(三七)が懐かしそうに振り返る。「心配しましたよ。全然帰ってこないんですもん。夕ご飯の唐揚げなんか(冷えて)カチカチになっちゃって…」。夢中になり、いつしかライトが照らしていたグラウンド―。父が全力を出すと、土を叩き本気で悔しがった。           
 「もっと練習して来年は絶対1番やな! 頑張ったから仮面ライダーゼロワンのお菓子は買ってや」       
 約束の念押しとともにリベンジを誓った幸太郎。子どもにとってのオリンピック、それが運動会。青いキャンバスが拡がった秋晴れの下、金メダル級の輝きが汗に反射した。

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